大山倍達総裁の「手刀内打ち」
2023.06.21
☆極真空手創始者「大山倍達」総裁の「手刀内打ち」
この写真、私の投稿で何十回と使わせて頂いて来ましたが、この写真を見ても気付いていない方々が多数いらっしゃると思い、投稿させて頂きます。
極真会館初の教則ビデオを製作する前に、統一された基本を海外から招待した世界各地区の委員長、師範方に対して、「これが基本だよ。この基本で統一するよ」と告知した時の写真(伊豆・大仁)。
極真空手の基本稽古「手刀内打ち」ですが、これをどうしても肘を伸ばして脇をあけたまま、打ち込む人が多い。
脇をあけると下腹(丹田)からの力が末端に伝わらないため、大山総裁は肩の力を抜き、下腹(丹田)・脇下・当てる場所の3箇所に意識を集中するように稽古の度に言っていた。
全ての基本はその3箇所を意識しろと……。
しかし、基本稽古で肘を伸ばし、脇をあけて「手刀内打ち」を打つ人が多い。
実際には相手に接近していなければ肘を曲げた手刀、転掌掛けは届かないので、相手との間合いによっては肘を伸ばし、脇をあけて打つ時が多い可能性が高い。
だが、白帯素人の段階から基本稽古で肘を伸ばして脇をあけると間違いなくどうしても肩に力が入る。
それでは丹田の力が手刀に伝わらない。
そのため、写真のような形で繰り返し何年も基本稽古をやる事で、丹田・脇・手刀(もちろん正拳、裏拳、弧拳など全ての手技)の3箇所の力の流れ「経絡」のようなものをしっかり作り上げるのだ。
(形としては中段外受け、内受けの拳を開いて手刀に変えた形に似ている。手刀の指先は目の高さ)
そうなれば、距離が離れた相手に手刀、鉄槌、裏拳などを内側から叩き込む場合に、肘が伸び、脇があいた状況でも、基本稽古による基礎鍛錬により繋がった「経絡」が有益に作用して相手に打ち込める事になる。
基本稽古は全ての技の基盤となる身体の使い方を心身に馴染ませる大変重要な意味を成します。
大山総裁がよく「基本を念入りにやった人間と、いきなりキックのようにサンドバッグ、巻藁を叩く事をやった人間………数年後に組手をやらせたら、大人と子供の差が出る!」と言っていた。
基本稽古は車のエンジンを含めた各パーツ(部分、部位、部品)をチューンナップする役割りを果たします。
筋力、スタミナをつけてエンジン・排気量をデカくしても、微細な部品、部位が不良品であれば、レーシングカーは結果を出せないでしょう。
基本稽古は根本的基本性能を上げるために必要なのです。
キックにはキックの選手の鍛え方、ボクサーにはボクサーの鍛え方、総合格闘家には総合格闘家の鍛え方、空手には空手の鍛え方があります。
時間が掛かるやり方ではありますが、今一度「空手の鍛え方」「基本稽古の効用」を活用して頂きたいと思います。
これまで繰り返し稽古で言って来た事でも、理解実践して頂けない場合が多かったのですが、大山倍達総裁「生誕100年」の今年、少しでも多くの方々に「基本・移動基本・型」の大切さを認識して頂ければ幸いです。(私は「基本神話」を掲げるつもりは全くありません。基本をやっても応用に使えなければ宝の持ち腐れになるからです)
「生誕100年」がひとつの節目になりますように………押忍。
bujutsudaishizen.com
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